人と対する時 話をする時
自分が自分である感覚さえもなくなるくらい
その心のなかに溶け込んでしまうから
見えなくていいこと
分からなくていいことまでも
感じ取ってしまう
穏やかなはずの昼下がりにも
景色の隅や 空間のひずみに
潜んでいる影を感じる
…人々のさまざまな想い、悪念に身がすくむ
信じることの難しさに
何もかも投げ出したくなる
けれど 本当は知っている
自分自身が灯火になればそれでいいのだと
そして そんなふうに懸命に生きれば
同じように懸命に生きている人に
かならず巡り会えるのだと。
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